聖三位一体の礼拝について②

フランスのシャンティイ、コンデ美術館にはデューラー自身による『聖三位一体の礼拝』の下絵が所蔵されています。絵の周囲の縁撮り装飾も描かれているそうです。1508年に描かれたというこの下絵ですが、まるでエングレーヴィングによる版画のように、ディティールまで鮮明に描写されているそうです。構想の段階で、デューラー自身が絵と同時にその周囲の装飾枠もデザインして計画していたということが確認できるそうです。この下絵と実際の額縁のディテールに多少の違いはあるそうですが、デューラーのデザインにほぼ忠実に作られていることが見て取れるようです。ヴェネツィアに滞在したデューラーは、街角や聖堂といったさまざまな場所で、ルネサンス初期のようなタベルナクルの形状をした構築物をみかけて、ドイツの祭壇構築物と比較研究したと思われます。

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