火葬にまつわる俗習をいくつかみてみましょう。

まず「妊婦は葬式に参列してはいけない」というもの。

この俗習は全国できかれるものです。

葬式というものはかなりの重労働。特にお嫁さんは大きな働き手にさせられがち。(よくお嫁さんの不満を聞きます)。

葬式は暑かろうと寒かろうと関係なくありますし、慣れない場所やしきたりの中で右往左往ということもあるかと思います。

そんな状況で、妊婦さんをこき使うわけにはいかないと、葬式そのものに参列させないという俗習が生まれたのではないでしょうか。思いやりタブーですね。

妊婦が火葬場へ行くと健康な子供が生まれないという言い伝えもあります。

どうしても行かなければならない場合は、鏡をお腹に忍ばせておくとよいと言われています。鏡で邪気をはねのけるということでしょうか。

京都の方には子供が先だった両親が火葬場に行ってはいけないというものもあります。

親にとって子供が先に死ぬのは「逆縁」と言いますが、これは想像を絶する悲しみがあるのではないでしょうか。そんな親御さんの気持ちを慮って、火葬場に来ることをタブーにしているのかもしれません。

同じく故人の妻が火葬場に来ることを禁止しているのが四国地方です。

やはり愛する夫が火葬されるところに来ることの辛さへの配慮だと思われます。

近親者が火葬場に行くのが当たり前だと思っていたので、このようなタブーが各地にあるというのは驚きです。

ただ、最近では遺族の意識も変わってきたそうで、最後のお別れをするために火葬場に行くことがタブー視されることも無くなっていくだろうということです。

火葬場は死と向き合える場所ともいえるのではないでしょうか。

俗習やタブーを重んじるより、遺族の思いを叶えることが一番だと思います。