しかし、そんなロレックスも決して順風満帆なだけではありませんでした。
1970年代に入り、クォーツ式の時計が販売されるようになり、腕時計業界の構図が大きく変わることとなったのです。
それまでの腕時計の動力は、ゼンマイを使った機械式でしたが、クォーツ式はそれに変わる、新たな動力として登場しました。
水晶を使い、電子制御されたこの方式は、ゼンマイを巻く必要がなく、たとえ数日間~数ヶ月間身につけていなかったとしても、電池が続く限り針は動き続ける長所を持っていました。
世界中の人々は新時代を予感し、このクォーツ式の腕時計が流行するようになりました。
機械式腕時計を製造していたメーカーは大打撃を受けることとなり、ロレックスもその影響を受けてクォーツ式の時計も発表したこともあったほどでした。

しかし、クォーツ式の時計は電気制御されているので電子回路が故障したり電池交換をしたりする必要があり、耐用年数としては高くないということが弱点でした。
時間さえ分かれば良い、または安価な腕時計が欲しいという人にはクォーツ式は最適ですが、人々の中にはメンテナンスが大変だけれども何十年も使用することが可能な機械式時計の方にこそ愛着がわくという人もいました。
1980年代、90年代に入ると、機械式時計も巻き返しを見せ、ロレックスもそれまでのモデルにさらに改良を加える形で、機械式時計の可能性を追求していくこととなりました。

現在、機械式時計は時計そのものを愛する人々によって支えられ、その代表的ブランドとしてロレックスは不動の地位を築いているといえるでしょう。
そして、その人気の高さは中古品であっても衰えることはなく、高価での買取価格も期待できるのです。